戦前からの古民家での泡盛造り。2017年12月、4億円かけた7年間の再建工事が終わり、工場見学を開始。重要文化財。泡盛の銘柄「國華(こっか)」。
重要文化財に指定された建物で泡盛を作り続ける酒造所。敷地内の前面が工場、裏手が住まいのつくりとなっています。住まいは社長の部屋も従業員の部屋も6畳の大きさですが、社長の部屋は一段高くなっています。
首里城などとは異なり、完璧ではないところに当時の暮らしや創業者の趣向が垣間見れます。パズルのように木を組み合わせるなど、ものがない時代の様々な工夫が随所に見られます。
庭には立派な黒木があります。
離島など他の地域のお年寄りも「懐かしい」「残してほしい」という声が多く、県民の見学客が多いと言います。
柱に防腐処理などをしないのは、柱に付着する黒麹菌が泡盛の風味に影響するため。柱は腐ったところから削り、部分的に補強して泡盛つくりを続けています。
建物が建設された当時、近隣では相当なお金持ちとして通り、働く人もかなりの数いたことが水タンクなどからわかります。雨どいの水を濾過して貯める水タンクがあり、蒸留設備の裏が風呂になっており、泡盛を作る時期にはお風呂に入れたといい、生活の知恵をそこかしこで見ることができます。
本土の建築技術を多用しつつも沖縄らしい合理的なつくりで、ぜひ訪れたい名護の宝物です。